いれずみ(刺青・Tattoo・タトゥー)
はじめに
いれずみ(タトゥー)には、大きく二通りの入れ方があります。
手彫り(針で細かく色を入れる)と機械彫り(皮膚を機械で削って色を入れる)です。墨汁やインクを使って色を入れていきます。インクも黒、赤、青、黄色など多色で、色を出すために金属粉を混ぜたりしてあります。ほとんどの場合、手彫りは機械彫りよりも深く入っています。最近ではアートメイクも流行ってきています。言葉はおしゃれですが、結局のところ、浅いか深いかだけで入れ墨をしているのとあまり変わりません。
自分の体にいる細胞達が「異物だ!排除せねば!」と入れ墨の染料を認識してがんばって除去しようと働いてくれますが、すべてをきれいにするには無理があります。
もし、針や機械などの器具を使用せず、筆やペンのようなもので、染料を使って皮膚に絵を描くようにしているだけなら(もちろん痛みも出血も無いから、カサブタも出来ないはず)その色は必ず落ちます。でも、言い換えれば眉墨で書いているのと変わりません。
工夫された落ちにくい染料を使ったとして、入れ墨になっていなければ皮膚のTurn Over(28日〜1ヶ月かけて新しい皮膚になり、表層から古い皮膚がはがれ落ちる)によって必ずゆっくりと薄くなってきます。けれど、年齢とともに皮膚の代謝も落ちますので、時間はかなりかかります。半年経ってもなかなか薄くならないというのは入れ墨状態に陥っていると考えて良いと思います。
入れ墨を入れるのは簡単で安価なものが多いです。そして逆に、除去にはかなりの時間とお金がかかります。外国ではおしゃれ感覚であっても、残念ですが日本ではあまり良い感じには受け取られません。
従って、入れるなら取らない覚悟をして下さい。迷っているなら入れ墨シールでも貼って一時を楽しみましょう。そして、取るなら覚悟して取って下さい。レーザー治療にしろ、外科的治療にしろ、魔法ではありません。きれいに消したいという方が多いですが、入れ墨の跡が目立ちにくくはなっても鉛筆の字を消しゴムで消すようにきれいに消えることはありませんのでご注意を。
治療の方法
入れた部位や大きさ、色によって除去方法は変わります。
大きく、レーザー治療(Qスイッチ・炭酸ガスレーザー)と外科的治療(切除、削皮、植皮など)の二つが一般的です。
いずれの方法も自費となります。
尚、擦り傷でアスファルトや小石・砂などが傷に入って色がついたもの、誤って鉛筆を刺したあとの黒い色などは外傷性色素沈着(外傷性タトゥー)とされ、この場合はQスイッチレーザー治療が有効で、かつ保険適応となります。一度ご相談下さい。
治療の適応
就職に際していれずみを取りたい。
結婚に際していれずみを取りたい。
子供ができた時に、物心つくまでに入れ墨を取りたい。
子供とプールや温泉に普通に入りたい。
昔の彼女・彼氏の名前を入れ墨で体に刻んだが取りたい。
など、理由は様々。取りたい=適応です。
必要な検査(検査代別途要)
すべての治療方法に必要な項目:肝炎ウィルス(B型、C型)、HIV、梅毒
検診などで上記検査を受けられている場合、初診当日にデータを持参下さい。確認できれば改めて検査の必要はありません。但し、初回照射日よりさかのぼって6ヶ月以内のものに限る。
基礎疾患がある方・治療範囲の広いかた:肝・腎機能・貧血・出血傾向など追加検査が必要な場合があります。
除去希望日からさかのぼって1ヶ月以内の人間ドックや検診などの結果で代用できますので持参下さい。確認できれば改めて検査の必要はありません。
※当日レーザー照射治療希望の方で、上記検査結果が確認できない場合は当日検査が必要。
Qスイッチ アレキサンドライトレーザー治療
早急にとる必要はなく、回数がかかっても傷跡を最低限にしたいかたにお勧めです。
「しみ」や「太田母斑(青あざ)」、「外傷性色素沈着」などの治療にも使うレーザーを用います。
治療によく反応する色は、黒・紺・青・茶などです。赤・黄色や白などの色にはレーザーの反応が鈍くなるため、小範囲であれば取れることもありますが、取れたらラッキーと思うくらいがいいでしょう。また、インクによってはレーザー照射により色が黒く変化する事があります。
局部麻酔(注射・貼付薬・外用薬)
必要に応じて行います(麻酔代別途要)。
初診当日のQスイッチレーザー照射は小範囲(1cm2〜名刺大)であれば可能です。 また、当日照射希望の場合は予約時にお申し出下さい。
当日照射の時の麻酔は注射のみとなります。
施術の回数
1〜6ヶ月に1回、5〜10回は必要。
深く入れ墨が入っている場合(プロが入れている場合)多色の場合、さらに回数が必要な場合もあります。
経過
レーザーを照射すると、照射部位に浅いヤケドをつくる状態になります。皮膚が正常な状態に治るまで約1〜2週間かかります。範囲が広いほどヤケドの範囲が広がるので、皮膚が治るまで時間がかかり、感染の可能性も高くなります。皮膚に与える損傷をなるべく少なくしたいので、一度に照射する範囲は広くてもハガキ1枚分程度の範囲をお勧めしています。照射部位によっては、さらに狭い範囲をお勧めする場合もあります。
レーザー照射を受けたあとは、浅いヤケドの状態になりますので、水ぶくれや腫れ、痛み等が生じる場合やじくじくする場合もあります。それらが乾いてくるとカサブタができ、自然にカサブタがとれて皮膚が治ります。治るまでの間、患部を清潔に保ち、外用剤を塗布し湿潤環境にして、ガーゼなどで保護して下さい。自分で出来ない方は通院していただきます。患部の皮膚が治るまで(=カサブタがとれるまで)は入浴等で軽く濡らすことは可能ですが、状態によっては控えていただきます。こする事はやめて下さい。お化粧はできません。デスクワークはできますが、仕事内容によっては控えていただきます。飲酒や激しい運動は控えて下さい。
患部の皮膚が治った後は入浴などで濡らす事は構いません。お化粧も可能です。
患部の色はゆっくりと色が薄くなってきます。しかし、日焼けや患部をこするとメラニン色素が増えて色素沈着をきたすので濃くなることがあります。レーザー治療中の日焼けは避けること、患部が服で擦れたり、掻いたりすれるような事は避けて下さい。
反応が乏しい色が残った場合、炭酸ガスレーザーや切除等他の方法を併用することも可能です。
照射後に起こりうる事
直後〜傷が治るまで:腫れ、水ぶくれ、痛み、発赤、内出血、二次感染など
傷が治った後:炎症後色素沈着、脱色素(白く色がぬける)など
Qスイッチレーザーで取れないもの
機械で削った入れ墨の型通りの白っぽい傷跡
針を入れ墨の型に刺した白っぽい傷跡
炭酸ガス(CO2)レーザー治療
小範囲で、回数をかけずに取りたい、傷跡が目立つ事よりも入れ墨が取れる(=無い)事が優先のかたにお勧めです。
「ほくろ」や「疣贅」などの治療にも使うレーザーです。組織を削って治療しますのでこのレーザーは色には関係しません。イメージは深いヤケドです。1回の治療は一つの入れ墨の大きさが5mm前後〜10円玉までの範囲にとどめる事をお勧めします。場所によっては避けた方がいいところもあります。範囲が広いと傷の治りが悪くなり、二次感染の確率も高くなります。
局部麻酔(麻酔代別途要:注射のみ)
必ず行います。
Qスイッチレーザーよりも深く削りますので、貼付薬や外用薬の効果は弱いです。
初診当日の炭酸ガスレーザー照射は小範囲(5mm前後〜10円玉まで)であれば可能です。
また、当日照射希望の場合は予約時にお申し出下さい。
施術の回数
ほぼ1回。傷が治癒してまだ残っていれば照射することもあり、状態によって2・3回。
経過
CO2レーザーを照射すると、照射部位に深いヤケドをつくる状態になります。皮膚が正常な状態に治るまで約2週間〜1ヶ月かかります。削ることでQスイッチレーザーよりも深く皮膚に損傷が起こるので治るまで時間がかかり、二次感染の可能性も高くなります。
CO2レーザー照射を受けたあとは、赤味、痛み、内出血、じくじくした状態が続き、潰瘍を形成します。徐々に分厚いカサブタができ、自然にカサブタがとれて皮膚が治ります。このカサブタは自然にとれるまでの間、患部を清潔に保ち、外用剤を塗布し湿潤環境にして、ガーゼなどで保護して下さい。自分で出来ない方は通院していただきます。患部の皮膚が治るまで(=カサブタがとれるまで)は入浴等で軽く濡らすことは可能ですが、状態によっては控えていただきます。こする事はやめて下さい。デスクワークはできますが、仕事内容によっては控えていただきます。飲酒や激しい運動は控えて下さい。
患部の皮膚が治った後は入浴などで濡らす事は構いません。お化粧も可能です。 患部の色はゆっくりと色が薄くなってきます。しかし、日焼けや患部をこするとメラニン色素が増えて色素沈着をきたすので濃くなることがあります。レーザー治療中の日焼けは避けること、患部が服で擦れたり、掻いたりすれるような事は避けて下さい。
照射後に起こりうる事
直後〜傷が治るまで:腫れ、痛み、発赤、内出血、二次感染など
傷が治った後:傷跡の赤味、かゆみ、炎症後色素沈着、肥厚性瘢痕、ケロイドなど
手術療法(切除)
早急な除去と傷跡は仕方が無いと思う場合にお勧めです。必ず傷跡(切除跡)は残ります。また、場所によってはケロイドや肥厚性瘢痕が生じる場合もあります。
但し、入れ墨のある場所やその大きさ、模様によっては一度で切除できる場合と、出来ない場合があります。一度で出来ない場合は、分割切除(半年に1回くらいの間隔で2〜3回に分けて切除する方法)となることもあります。それでも入れ墨の範囲が大きくてすべてを切除するには無理がある場合があります。
診察の上、切除以外の方法の外科的処置でないと厳しいと判断した場合は当院では治療できかねる、あるいは範囲の縮小に留める程度の治療となることをご了承下さい。
初診当日の手術は基本的には受付けておりません。 当院では切除以外の外科的療法は行っておりませんのでご了承下さい。
局部麻酔(麻酔代別途要:注射のみ)
必ず行います。
手術は、日帰りにて行います。従って、一度に麻酔できる範囲にも制限が生じます。
経過
切除したところを縫い合わせます。抜糸まで、おおむね1〜2週間かかります。部位や長さなどによって抜糸までの期間はかわります。抜糸までは自分で処置をしていただきます。自分で出来ない場合は通院となります。
抜糸まで、入浴や激しい運動や飲酒は控える事。デスクワークは出来ますが、切除部位や長さによっては仕事を控えていただく場合があります。
抜糸後は通常の生活に戻っていただきます。入浴も可能です。傷跡はしばらく赤く、次に茶色くなり半年1年ほどして白い傷跡(消えません)となります。皮膚の質や術後のケアの仕方によっては赤味が長く続いたり茶色が長かったりします。時に肥厚性瘢痕やケロイドの状態になることがあります。
術後合併症
出血(内出血含む)、はれ、痛み、赤味、創の二次感染など
いずれの場合も、まずは診察を受けて下さい。
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